ネマーフキ マニス さん

私のふるさと

はじめまして。私の名前はネマーフキマニスと申します。

ネパール出身で、現在は日本で国際コミュニケーションを学んでいます。昼は学校で勉強し、夜は仕事もしています。毎日忙しいですが、新しいことを学べるのはとても楽しく、充実した日々を過ごしています。

今日は、私の出身地である「バクタプル」という町について紹介したいと思います。バクタプルは、ネパールの首都カトマンズの東側にある歴史的な町で、標高は約1400メートル。町全体が世界遺産にも登録されているほど、文化的にとても重要な場所です。

バクタプルは「クワパ」というネワール語の名前でも知られています。ネワール族が多く住んでおり、彼らの文化、言語、宗教、建築、そして日常生活が今も色濃く残っています。この町に一歩入ると、石畳の道、赤れんがの家、木彫りの窓や柱など、伝統的な景色が広がっていて、まるで昔の時代に戻ったような気持ちになります。

特に有名なのは「バクタプル・ダルバール広場」です。ここには、「五十五窓の宮殿」や、「ニャタポラ寺院」、「黄金の門(スナ・ダーワカ)」など、壮大で美しい建築物がたくさんあります。これらはすべてマッラ王朝の時代に建てられたもので、ネワール建築の傑作と言われています。細かく彫られた木彫りや、赤れんがと石を組み合わせた構造など、日本ではなかなか見られないユニークなデザインです。

食べ物もバクタプルの魅力の一つです。一番有名なのは「ジュジュ・ダヒ」と呼ばれる濃厚でクリーミーなヨーグルトです。これは特別な陶器の器に入れて作られ、他の地域のヨーグルトとは全く違う味わいがあります。祭りやお祝いの時には必ず登場する伝統的な食べ物です。

バクタプルはまた、祭りの町としても知られています。年間を通してたくさんの祭りがありますが、中でも「ビスケット・ジャトラ(ビスケット祭り)」や「ガイ・ジャトラ(牛の祭り)」は特に有名です。ビスケット祭りでは、高い木の柱を立てて、町の中心で大きな山車を引いて歩きます。太鼓や笛の音が響き、町全体が一体となってお祝いする様子はとても感動的です。

このような文化や祭りは、私にとってただの行事ではありません。子どものころから家族や友達と一緒に参加してきた思い出がたくさん詰まっていて、自分のアイデンティティを作る大切な一部となっています。たとえば、小学生の頃、友達と一緒に山車の後ろを走ったことや、ジュジュ・ダヒをこぼして怒られたことなど、小さな思い出が今でも心に残っています。

バクタプルの人々はとても親切で、地域のつながりが強いです。困ったことがあれば近所の人がすぐに助けてくれますし、お年寄りも子どもも、みんなが一緒に祭りや行事を楽しみます。昔からの伝統を大切にしながら、みんなで支え合って生きている姿は、私がとても誇りに思っている点の一つです。

現在、日本に住んでいて毎日忙しく過ごしていますが、バクタプルのことを忘れたことは一度もありません。ネパールに帰るときは必ずバクタプルに立ち寄り、家族や友達に会って、昔と変わらない町の空気を感じます。バクタプルの朝の静けさ、祈る人々の姿、祭りのにぎやかさ……そのすべてが私の心のふるさとです。

バクタプルは、私にとってただの出身地ではありません。自分の文化、歴史、価値観を教えてくれた場所です。そして、これから先どこで暮らしても、バクタプルで育ったことは私の誇りであり、強さの源になると信じています。

最後に、私はこの素晴らしい町のことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。機会があれば、ぜひ一度バクタプルを訪れてみてください。きっと忘れられない体験になるはずです。